台風の大きさの基準 「超大型で猛烈な」台風とはどのような台風か?

台風が日本に近ずくと気象庁から、「超大型で猛烈な台風」や「強い台風」という言葉を聞くことができます。この言葉は、人の言葉への感じ方を考慮した基準をもとに発表されているのですが、どれくらいの大きさなのか、なかなかピンときません。

そんな台風の「階級分け」と「呼び方」を解説します

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台風の「大きさ」と「強さ」階級による呼び分け

台風の大きさと強さを報道ではどのように表してその基準は何か?

台風の大きさの基準 大きさと風速

気象庁による、台風の大きさと強さの要素は

  • 台風の大きさは、強風域が基準
    強風域とは、風速15m/s(54km/h)以上の風が吹いているか、可能性がある範囲の半径
  • 台風の強さは最大風速が基準
    風速33m/s以上が基準

このように規定されています。

これをもとに、実際に報道される、台風の大きさと強さを表にしました

台風の呼び方 台風のサイズ
超大型で猛烈な 半径 800km以上
最大風速 54m/s以上
(時速 194.4km/h~)
超大型で非常に強い 半径 800km以上
最大風速 44m/s ~ 54m/s
(時速 158.4km/h~)
超大型で強い 半径 800km以上
最大風速 33m/s ~ 44m/s
(時速 118.8km/h~)
大型で猛烈な 半径 500km~800km
最大風速 54m/s以上
(時速 194.4km/h~)
大型で非常に強い 半径 500km~800km
最大風速 44m/s ~ 54m/s
(時速 158.4km/h~)
大型で強い 半径 500km~800km
最大風速 33m/s ~ 44m/s
(時速 118.8km/h~)
猛烈な 半径 500km未満
最大風速 54m/s以上
(時速 194.4km/h~)
非常に強い 半径 500km未満
最大風速 44m/s ~ 54m/s
(時速 158.4km/h~)
強い 半径 500km未満
最大風速 33m/s ~ 44m/s
(時速 118.8km/h~)

気象庁の風速単位が秒速ですので、参考に時速を付け加えています。弱そうな台風でさえ、時速120km/h近くも出ているということに驚きです。(参考:秒速から時速 換算計算機

気象庁では台風の半径が500km未満では大きさを表現されません。ただし、NHKなどの報道においては「小型で強い台風」という表現がされます。

この報道の大切なところは、小型でも「強い」ということです。

暴風域と強風域 風速の基準

台風の大きさは強風域の半径なのですが、暴風域という言葉も良く聴きます。

強風域と暴風域の基準の風速

10分間の平均風速が

  • 強風域 風速 15m/s以上
  • 暴風域 風速 25m/s以上

です。

強風域と暴風域の広さの基準は、最大瞬間風速ではなく、10分間の平均風速が基準となっています。

これらに合わせて、台風情報の発表では、最大瞬間風速という瞬間的に吹く強烈な風の速さも伝えられます。

台風による影響が小さいと勘違いさせない工夫

「台風による影響が小さいと勘違いさせない工夫」がされている

「台風による影響が小さいと勘違いさせない工夫」がされている

「台風による影響が小さいと勘違いさせない工夫」

台風の呼び方は、どの呼び方も、人の恐怖心を煽る言い方になっているのが特徴です。

実は、ずっと以前は「弱い台風」という言葉も聞くことがきました。

しかし、「弱い」と聞くと、実際には豪雨の危険があるにもかかわらず、人にとっては大したことが無い台風ととらえられる可能性があります。

そこで、勘違いされるような言葉は基準から外されました。

 

とくに影響が大きいのは雨や高潮です。

台風は、半径と風速でしか表現されず、通過地点にどのような強さの雨をもたらすのかは、台風の呼び方の基準になっていません。

報道されるときには、台風の大きさに付け加えて「猛烈な雨にご注意ください」と付け加えられることがあります。

 

さらに、海岸付近では高潮の危険があります。

台風の中心部は気圧が低く、海面が引き上げられるため高潮となり、台風の通過が満潮時間と重なると海面が堤防の高さを超えてしまい大きな被害をもたらします。

 

台風が発生し、お住まいの場所を通過する予報が出たときは、どのような台風であっても、避難の準備、さらに、事前の避難をされていてください。

自分は大丈夫という「正常性バイアス」の心理状態にならないことが大切です。

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