東京スカイツリーの高さ(634m)の理由は電波を遠くに届けるための工夫

東京スカイツリーの高さは634mで、日本で一番高い電波塔です。さらに、ギネス社より世界一高いタワーとして認定されています(2011年11月17日)。

この高さを生かして、関東エリアにテレビの地上デジタル放送やFMラジオなどの電波を発信しています。

では、なぜ、634mという高さが必要だったのでしょうか?

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東京スカイツリーの高さの理由

電波を遠くまで飛ばすには、どうしたらいいのかを考えると、答えに近づきます。

電波は、電波を遮るような遮蔽物(障害物)があると、急激に電波が弱まってしまいます。

木の影は太陽の光を遮っているから光が弱まり少し暗くなってできる

 

例えば、光を考えてみます。

この絵のように、広場に木があって木陰を作っていた場合、木が太陽からの光の障害物となって、太陽の反対側は光が弱くなり、影の部分は光が当たる周囲より少し暗くなっています

影ができるのは、室内外問わず、毎日見る光景ですね。

この性質は人間が機械で作り出す電波も同じで、障害物に電波があたると弱くなって、その裏側では電波がとどきにくくなります。

つまり、できるだけ遠くまで飛ばすには、途中に障害物となる建物や山などが無いほうが良いのですが、東京は見渡す限りビルが立ち並び、しかも、どのビルも高いビルで、これらが電波を遮ってしまい必要な場所に届かなくしているのです。

 

東京スカイツリーの高さの意味

東京スカイツリーは周囲の建物よりもとても高い

 

東京スカイツリーのがある押上周辺は、目立って高いビルが集合している場所はありませんが、都心に近づくつれて、高層ビル群が立ち並びます。また、スカイツリーから離れると比較的低いビルでも電波を遮ってしまいます。

このようなことがあるために、本当に遠くまで電波を飛ばそうとすると、より高い位置から電波を発信しなければ遠くにいる人たちまで電波を届けることができません。

そういう理由で、東京スカイツリーは634mという高さで設計され、日本で一番高い電波塔となったのです。

※設計時からタワー世界一の高さを目指したという理由もあります。

参考:東京スカイツリー公式サイト

電波塔はどういう場所に作られたか?

美ヶ原電波塔は県の中心で県全体に電波を届けている

美ヶ原電波塔は高い位置にある

高い位置からの電波の発信が有利ということが分かりました。

では、スカイツリー以外の電波塔、電波送受信の施設がある場所も高い位置なのか?を調べていくと、やはり高い位置に設置してあります。

  • 地方では、周辺にある目立つ小高い山の上
  • 都心では、高層ビルの屋上やビルの高層の地点
  • 東京タワー

このようにその地域で一番高いであろう場所に電波施設が設置され、また、電波をより遠くに発信するためにタワーが作られています。

 

戸塚テレビ中継局周辺の高層ビル・マンション

高層マンションが建つ戸塚中継局周辺の写真(publicdomain)

ただし…

どんなに高い電波塔を建てたとしても、開発により高層ビルや高層マンションが建ってしまい、局所的な地域でテレビの受信状況が悪くなる場合があります。

そのような場合には、中継局という、一部地域だけに向けた電波塔が建てられることがあります。戸塚テレビ中継局(wiki)がその良い例かと思います。

日本の有名な電波塔の高さ

日本にはいくつか有名な電波塔が立っていますので、それらの具体的な高さを比較していきます。

電波塔 高さ
さっぽろテレビ塔(札幌市) 147.2m
東京スカイツリー(東京都) 634m
東京タワー(東京都) 333m
名古屋テレビ塔(名古屋市) 180m
福岡タワー(福岡市) 234m

このように見ると、スカイツリーの高さが際立っていますね。

福岡タワーは電波塔ですが、海の近くに立っています。地図を見てみると

福岡の地形は、3方向を山に囲まれていて、また、北のほうは海沿いに人口が多い地域あったりします。

勝手な想像でしかありませんが、福岡タワーの場所というのは、人口が多く電波の受信を必要としている地域に届けるためには、この位置がベストなのではないかと考えています。

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